「黄金の羽根」を手に入れる自由と奴隷の人生設計
橘 玲 /海外投資を楽しむ会
講談社 刊
発売日 2004-08
本当に役に立つ本 2006-08-01
この本は、橘氏独特のファイナンス的視点から、通常の生活でも差が付く人生設計のアイデアが多く語られています。知っていれば特をすることは世の中にたくさんありますが、その「知っている」人になるためのエッセンスがぎっしりと詰まった本であると言えます。
このような経済に関する本は、一概に1年ほど経つと内容に古さを感じる物が多い中、この本に関してはその内容が原則を中心に述べられており、何年経っても基本的考えは生き続ける本であると思います。
インフレ期待の今こそ読むべき 2006-04-08
ここ5年近く、橘さんの書物は愛読してきてますが、インフレが間近なものとなってきて今、改めて読む価値があると思います。
実は、インフレ時の処方箋についても書かれています。
国家へのさめた見方 2006-04-07
またしても金持ち本ですが、著者であるライターの橘玲はいわゆる金持ち本とは距離を置いた記述をしています。そこに惹かれました。
内容としては、しごくまっとうなもので、例えば、家のローンは土地への一点重視のポートフォリオであり、戦後の日本では機能してきたかもしれないが、これからは危ない とか。会社をつくって節税しなければ 単なるサラリーマンではお金持ちにはなれない とか。株の運用でもファンダメンタリストとチャーティストは互いに侮蔑しあっており、その両方ともが学者の検証によればまったくあてずっぽうに投資しているのと同じである などなど。
僕としてはもっとも興味深いのは著者がPTの信奉者であるということです。PTはpermanent travellerのことで、カリブ海の租税回避地にすんでいるアメリカ人の富豪に多いといわれます。悪くいえばつまりは脱税をするために居所を複数持ち、それによってどの国家にも税金を納めないような人たちで、よく言えば「主権は国家ではなく、個人にあり、課税はつまり強盗であり、課税する権利などどの国にもない」というロスバード的な無政府主義者であると言えるでしょう。
僕自身もぜひともPTになりたいものですが、しかし現実にPTになるには最低限度でも億単位の資産が必要だし、また大学教員というような制約的な職業ではなく、フリーランスのライターでもなくては難しいでしょう。
ただ 今のように「取りやすいところから取る」というポリシーしかない税制は徐々に崩壊せざるを得ないし、それは人類の活動がますます世界化していることからも不可避です。無政府の社会には税金はありません。全地球的な規模の活動をする個人にふさわしい社会はanarcho-capitalismしかないのです。
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